ハイブリッド会議に対応した会議室の音響セットアップ事例

― シーリングマイクとワイヤレスマイクを組み合わせた構成 ―

オンライン会議と対面会議を同時に行う「ハイブリッド会議」では、
「誰の声も聞き取りやすい音響環境」 が重要なポイントになります。

今回は、天井埋込型マイク(シーリングマイク)
ワイヤレスマイク・グースネックマイク を組み合わせた
会議室音響のセットアップ事例をご紹介します。

音響機器に詳しくない法人担当者の方にも分かるよう、
専門用語はできるだけ噛み砕いて説明します。

今回の構成概要

今回の会議室では、以下のマイクを組み合わせて使用しました。

  • 天井埋込型マイク(シーリングマイク)
  • ワイヤレスハンドマイク
  • ワイヤレスピンマイク
  • グースネックマイク(卓上マイク)
納入前動作チェックの様子

これにより、
発言者の立場や会議の進行スタイルに合わせて最適な集音 が可能になります。

シーリングマイクとは?

マイクを持たずに使える天井埋込型マイク

シーリングマイクとは、天井に設置するマイクのことです。
机の上や手元にマイクを置かなくても、会議室全体の音声を拾うことができます。

今回使用した
Panasonic「WX-AM800」 は、天井に埋め込むタイプのため、

  • マイクの存在感が少ない
  • 会議室の見た目を損なわない
  • 参加者がマイク操作を意識しなくてよい

といった特長があります。

ワイヤレスマイクとシーリングマイクは併用可能

Panasonicのシーリングマイクシステムは、
ワイヤレスマイクと連動して使用できる設計 になっています。

音声が二重に聞こえない仕組み

システムには
「ワイヤレスマイクの音声を優先する設定」 があり、

  • 発言者がワイヤレスマイクを使用しているとき
  • 天井マイクの音量を自動的に抑える

といった制御が可能です。

これにより、
スピーカーから音が二重に聞こえる現象を防止 できます。

今回の納品でも、この連動設定を行い、
オンライン・対面の両方でクリアな音声入力を確認しました。

なぜワイヤレスマイクと併用するのか?

① 声をより明瞭に届けるため

マイクは 「口元に近いほど、はっきり声を拾える」 特性があります。

一般的な明瞭度の目安は以下の順です。

ハンドマイク・ヘッドマイク
> グースネックマイク
> ピンマイク
> シーリングマイク

重要な発言や説明がある場面では、
ワイヤレスマイクやグースネックマイクを使うことで音声明瞭度が向上 します。

② 会議の進行スタイルに柔軟に対応するため

  • 1名が登壇して話す会議
  • 複数人でディスカッションする会議

どちらにも対応できるのが、複数マイク併用のメリットです。

発言者の位置に応じてマイクを使い分けることで、
どの席からでも聞き取りやすい音声 を実現できます。

③ オンライン参加者の音声体験を向上させるため

シーリングマイクでも音声は拾えますが、
口元で集音するマイクと比べると、

  • 室内の反響音が多くなる
  • 少し距離を感じる音になりやすい

という傾向があります。

一方、グースネックマイクやハンドマイクを使用すると、

  • 響きが少ない
  • 話者の存在感が伝わりやすい

ため、リモート参加者にとっても「会議に参加している感覚」が高まります。

シーリングマイクを併用するメリット

ワイヤレスマイクだけの場合、
マイクを持っている人の声しか拾えません。

シーリングマイクを併用することで、

  • マイクを持っていない人の発言
  • 急な発言や補足コメント

も自然に拾うことができます。

また、優先制御により
ワイヤレスマイクの音声が最優先されるため、誤作動の心配もありません。

各メーカーのシーリングマイクにも対応

今回は Panasonic「WX-AM800」 の事例をご紹介しましたが、
以下メーカー製品の取り扱いも可能です。

  • Panasonic
    • 最大4台まで設置可能(1システム)
  • YAMAHA
    • 最大14台まで設置可能(1プロセッサー)

Panasonic製品の特長

  • 同一システム内で ワイヤレスマイクを最大16本まで運用可能
  • マルチセッション機能利用時はワイヤレスマイクを最大96台まで運用可能
  • 複数本のワイヤレスマイクを使用する会議室に適した構成

システム選定について

メーカーありきではなく、

  • 会議室の広さ
  • 使用人数
  • マイクの本数
  • 会議スタイル

に合わせて 最適なシステム構成をご提案 します。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. シーリングマイクだけでセットアップできますか?

可能です。
会場内で拡声を行わない場合は、シーリングマイクのみの構成事例もあります。
ただし、拡声を行う会議では ワイヤレスマイクとの併用を推奨 しています。

Q2. 費用感を知りたい

シーリングマイク導入の目安として、
最小構成で約200万円〜 となります。
(設置台数・構成により変動します)

Q3. グースネックマイク1本で何人分集音できますか?

基本的には 1本で1名 を想定します。
感度が高いため、隣席の声を拾う場合もありますが、
明瞭度を重視する場合は1人1本が理想です。

Q4.ハウリング(キーンという音)は起きませんか?

会議室のスピーカー配置や音量設定を適切に行うことで、ハウリングが起きにくい構成にすることが可能です。
例えば「ボイスリフト」と呼ばれる方式では、スピーカーを複数配置し、話している人のすぐ近くから音を出さないため、ハウリングのリスクを抑えられます。

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